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     ピアノで優しい花の種まき私の教室に通ってくれている お子さんたちには 日々のレッスンを通して、 私のコンサートに来てくださる お客様方には 私の演奏そのものを通して、 私はピアノで 優しい花の種まきができるような ピアノ教室とコンサートを 目指しています。 今のこの日本は、本当に豊かで 物も食べ物も、レジャーも情報も たくさんあふれていますが、 人間に咲く優しい花が 物よりもいっぱいに あふれてくれたらいいのになと 願わずにいられない時が たくさんあるからです。 ピアノを通して お子さんたちに優しい花が たくさん咲きますように… そんな願いを込めながら、 私は毎日 生徒たちと向き合っています。 また、 私が2014年から続けている 動物のためのチャリティコンサートは、 私の大切な故郷である茨城県は、 捨て犬・捨て猫の数が 全国の中でも非常に多い県という 衝撃の事実を知ってしまった日から 日々心を痛めていることが 原動力となっています。 私の場合は、 「動物愛護活動」と呼べるような 大げさなものではありませんが、 自分が飼い始めたペットは、 捨てたりせず最後まで責任を持って お世話をすることの大切さを、 私はピアノ演奏を通して 伝え続けていきたいという一心で このコンサートを続けています。 そして、いつか 捨て犬や捨て猫がいなくなるような 優しい世の中になりますように… 私はピアノを通して 祈ることしかできませんが、 いつもそう祈り続けています。  清掃・片づけ西洋のことわざに、 「清潔は敬神に次ぐ美徳」 という言葉があるそうです。 また、 以前、私が感動した本の中で、 「清掃は やさしさ」 というタイトルの本がありました。 以前から私は清掃や片づけは 苦にはならないほうでしたが、 この本に出会って、 清掃の大切さを思う気持ちが より一層深まりました。 私の教室を訪れる方々が 良い気分になれますように お子さんたちがいつも気持ち良く レッスンを受けられますように レッスン室はもちろんのこと、 トイレ、玄関、お庭… いつも清掃や片づけを 丁寧に行なうように心がけています。  初心に返ること私事ですが、 この教室の10周年の節目となる年に、 偶然なのか必然なのかわかりませんが、 自分の人生を見直すきっかけとなる とても貴重な経験をしました。 有名なことわざに 「初心忘るべからず」とありますよね。 この言葉は、今の私にとって、 そしてこれからの私にとっても、 何よりの師であると感じています。 と言いますのは、 この仕事に就いて 少しずつ長くなってきたキャリアが、 まだ学生だった時の純粋な思いを 傲慢にも打ち消そうとしているかも…と 感じてしまう時があったのです…。 初心を忘れて、 純粋な思いが失われていくことって、 本当に怖いことだなと この経験によってハッと気づきました。 初心を忘れないことの大切さ。 ブレない心を持ち続けることの大切さ。 良いことがあっても、 悪いことがあっても、 常に初心に返り、 謙虚な気持ちで勉強し続けていこうと この時改めて決心し、 今でも時には悩んだりしながら、 日々一歩ずつですが 精進し続けています。  純粋な思いでは、 私の学生時代の純粋な思いとは 一体どんな思いだったのでしょうか? 『ピアノを通して 日本の将来を担う子どもたちに 優しい花の種まきができるような ピアノ教室をつくる』 『コンサートに来てくださったお客様が 癒されるようなピアノの音色を 出せるようになる』 『たった一人でもいい。 私の演奏を聴きたいと 言ってくださる方がいる限り、 その方のために 心をこめて演奏し続ける』 『ピアノを通して社会貢献をする』 もちろん、 今でもこの思いは変わりません。 せっかくこの世に生まれてきて、 あの東日本大震災も経験しましたが、 それでも今もなお、 この世に生かされているのですから、 自分が選んだこの道で 私は大好きなピアノで トコトン自分の演奏を磨いて、 ピアノという楽器の素晴らしさを 偉大な作曲家が残した クラシック音楽の素晴らしさを そして何より 音楽の素晴らしさを伝え、 ピアノを通して少しでも… 社会の役に立てたらと思っています。  目指す演奏学生の頃から今でもずっと、 最初の一音を鳴らした瞬間から、 『わぁ～!! なんてきれいな音なんだろう!!』と 聴く人の心に響く演奏を 目指しています。 私の演奏には、派手さや 華やかさはないかもしれませんが、 人の温もりが伝わるような音色、 メロディーの呼吸、ゆらぎ… そういうものの「美」を 目指しています。 もちろん、 うまくいく時ばかりではないですが、 そういう「美」を追求することは、 私にとって かけがえのない喜びなのです。 感謝の気持ち数あるピアノ教室から 私の教室を選んでくださった 保護者のみなさまと生徒のみなさん 貴重なお時間を割いて 私のコンサートに 足を運んでくださるお客様方 素晴らしい作品を残してくださった 偉大な作曲家たち 私に音楽を習わせてくれた両親 つらい時、悲しい時、いつも 私を精神的に支えてくれた亡き愛犬 命の大切さを教えてくれた亡き愛猫 人間が生きていくために 犠牲になってくれた動物たち… ここには書ききれないほどの たくさんの人たちや動物たちのおかげで 今の自分があることを 決して忘れてはいけない… 改めて 感謝の気持ちとともにピアノに向かう 日々を大切に過ごしています。  illustration by aoito
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